「切れたら、もう元には戻らない」——つながることと、元どおりになることは別の話です|枚方 大黒整骨院

「一度切れたら、もう元には戻らないんですよね」——枚方市の当院でよく伺うお話です。当院はこうお答えしています。きずあとの組織でつながります。ただ前と同じ組織ではないので、そのあとの使い方とトレーニングで良い状態にしていきます。研究では、切れているのに痛みのない方のほうが多く、痛い方と痛くない方を分けていたのは切れ方のひどさではありませんでした。きずあとを作らず本当に元どおりになるのは骨だけ、という話まで。臨床23年の柔道整復師がお伝えします。

大黒整骨院(院長:大黒 充晴/柔道整復師・臨床23年)

🟢 この記事のやさしい結論(30秒でわかる)

  • 「切れたら元に戻らない」——この言葉は、半分あたっていて、半分ちがいます
  • 分けて考えると、はっきりします。①つながるか ②前と同じ組織に戻るか。この2つは別の話です。
  • 当院はこうお伝えしています。「きずあとの組織でつながります。ただ前と同じ組織ではないので、そのあとの使い方(アドバイス)とトレーニングで、良い状態にしていきます」
  • そしてもう一つ。切れている場所と、痛みを出している場所は、一致しないことが多いのです。研究でも、腱板が切れている方の約3分の2に症状がなく、半月板が切れている方の61%は痛みがありませんでした。
  • では、痛い方は何が違うのか。研究では切れ方のひどさは痛みと関係していませんでした。違っていたのは「広がってきているか」「動かし方(かばい方)が変わっているか」「体全体の状態」でした。
  • 組織によって戻る力はまるで違い、きずあとを作らず本当に元どおりになるのは骨だけです。腱板は自然にはつながりません。それでも戻らない組織ほど、周りをどう使うかで結果が変わっています
  • だから当院が探すのは、切れたところではなく、かばって動かなくなったところです。
  • ⚠️ 受傷時に音がした・体重をかけられない・見た目が変わっている・急に強く腫れた・膝が引っかかって伸びない——このときは、先に医療機関へ。

「先生、一度切れたら、もう元には戻らないんですよね」

足首をひねった方、肉離れをされた方、病院で「腱板が切れています」「半月板が切れています」と言われた方から、枚方市の当院でよく伺うお話です。

この問いに、私は長いあいだ、歯切れの悪い答え方をしていました。

「戻ります」と言えば嘘になる場面があります。かといって「戻りません」と言えば、その方は体を動かす気力まで失ってしまう。

答えは、言葉を2つに分けることで見えてきました。

「つながる」と「元どおり」は、別の話です

「元に戻る」という言葉には、2つの意味が混ざっています。

  1. つながるか——切れたところがくっついて、また力を伝える仕事ができるようになるか
  2. 前と同じ組織に戻るか——切れる前と同じ強さ、同じ伸びにくさに戻るか

この2つは、別の問いです。

そして多くの場合、答えはこうなります。①はだいたい「はい」。②は「いいえ」。ただし、体の働きは戻せます。

だから当院では、こうお伝えしています。

きずあとの組織でつながります。ただ前と同じ組織ではないので、そのあとの使い方(アドバイス)とトレーニングで、良い状態にしていきます。

「つながる」ことは、ちゃんとお伝えする。「元どおり」とは言わない。その上で、良い状態にしていく手段が、つながったあとにあることを、最初にお渡しします。

切れているのに、痛くない方のほうが多い

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。

「切れているから痛い」——多くの方がそう思っています。ところが、世界の研究はそう単純ではないと示しています。

肩の腱板(肩を動かす腱の集まり)を、症状のあるなしに関わらず住民の方々に調べた日本の研究があります。腱板が切れていた方のうち、約3分の2は症状がありませんでした。年代が上がるほど、切れている方の割合は増えていきます。

膝の半月板も同じです。50〜90歳の方991人をMRIで調べた研究では、半月板が切れていた方の61%が、直近1か月に膝の痛みも、うずきも、こわばりもありませんでした

つまり、こういうことです。

切れていること自体は、痛みの理由とは限らない。

同じことは、画像に写る他の所見にも言えます。この話は画像でヘルニア・狭窄と言われた方へにもまとめています。

では、痛い方は、なぜ痛いのでしょうか

当然、こう思われますよね。「切れていても痛くない人が多いなら、痛い私は何が違うの?」と。

研究を調べてみると、はっきりした答えがありました。

切れ方のひどさでは、説明がつきませんでした。

症状のある方を大人数で調べた研究で、断裂の大きさも、縮み具合も、筋肉のやせ具合も——どれ一つ、痛みの強さと関係していませんでした

代わりに違っていたのは、こちらです。

  1. 断裂が広がってきているか(止まっている人より、広がっている人に痛みが出やすい)
  2. 動かし方が変わっているか
  3. 体全体の状態(他の病気を持っているかどうかなど)

2つ目が、当院がいちばん注目しているところです。

肩の筋肉の働きを機械で測った研究では、痛みのある方は、痛い関節をあまり使わず、その周りの関節を多く使って腕を上げていました

言いかえると、かばい方が違っていたのです。

⚠️ 正直にお伝えすると、「かばうから痛くなる」のか「痛いからかばう」のか、順番はまだ研究でも決着していません。ただ、切れ方は変えられませんが、かばい方は変えられます

(研究の名前と数字は、治療家向けの切れた筋肉や靭帯は、元に戻らないのかにまとめています)

「自然には治らない」とされてきたものも、見直されています

もう一つ、私自身が学び直したことをお伝えします。

膝の前十字靭帯は、関節の中にある靭帯です。長いあいだ「切れたら自然にはつながらない」と、私たちも教わってきました。

ところが2023年、その常識をゆるがす報告が出ました。手術をせずリハビリだけで経過を見た方のうち、約半数の方で、2年後のMRIに靭帯のつながりが確認されたというものです。

⚠️ ここは慎重にお伝えします。「だから手術は要らない」という話ではありません。 手術をするかしないかは、年齢・スポーツ・他の場所の傷み具合をふまえて、医師が判断することです。当院がその判断をすることはありません。

私がこの報告からお伝えしたいのは、一点だけです。「絶対に元には戻らない」と言い切って、あきらめていただく必要はない、ということです。

ちなみに、本当に「元どおり」になるのは骨だけです

組織によって、戻る力はまるで違います。調べていて、私がいちばん意外だったのがこれでした。

きずあとを作らず、本当に元どおりに戻るのは、骨だけなのです。

骨折が治るとき、体は骨を「作り直して」います。だから、治ったあとの骨は、きずあとではなく骨です。いちばん硬くて、いちばん治らなそうに見えるものが、唯一きちんと戻る。

ほかの組織は、こうです。

  • 筋肉——作り直せます。ただし、きずあとも一緒に残ります
  • 靭帯・腱——きずあとでつながります。前と同じ組織ではありません
  • 半月板——外側のふちにしか血が通っていないので、内側が切れると、つながりにくい
  • 軟骨——ほとんど戻りません。これは280年ほど前から言われていて、いまも変わっていません
  • 腱板——切れた端が縮んでしまうため、自然にはつながりません

「腱板が切れている」と言われた方に、これは残念な話に聞こえるかもしれません。

でも、ここが大事なところです。

戻らない組織ほど、「周りをどう使うか」で結果が変わっています。

腱板は自然にはつながりません。それでも、多くの方が手術をせずに過ごされています。手術で縫った腱が再び切れた方でも、調子そのものは良くなっていた——そういう報告もあります。

体は「切れたところを元に戻す」のではなく、別のやり方で仕事を回せるようになるのです。

では、当院は何を診ているのか

切れたところを、当院がくっつけることはできません。それは正直にお伝えします。

では何を診ているか。かばって動かなくなったところです。

足首をひねると、痛いほうをかばって歩きます。すると、反対側の足や、腰や、股関節に負担が移ります。かばっているあいだに、怪我とは別の「動いていない場所」が生まれてしまう。

実際に当院であったお話は、朝の一歩目のかかとの痛みと、反対側の足首にまとめています。痛いのはかかとなのに、原因は反対側の足首をかばった歩き方にありました。

片方だけ痛いのはなぜ?痛い側は「かばう側」かもも、同じ話です。

だから当院がすることは、つながったあとの体が、弱くなった場所をかばい過ぎずに動けるように、土台を整えること。そして、体の使い方をお渡しすることです(※感じ方には個人差があります)。

「トレーニング」の意味

ここで一つ、はっきりさせておきます。

当院が言う「トレーニング」は、筋肉を大きくする筋トレのことではありません

正しい足腰の動きを、体に覚えてもらうこと。これが当院の言うトレーニングです。だいこく式のトレーニングは、負荷をかけて鍛えるものではなく、動き方を入れ直すものです。

その考え方は、「痛いから安静に」が、かえって治りを遠ざけるにも書いています。

世界の研究も、同じ方向を向いています。足首の捻挫でも、アキレス腱でも、固定して動かさないより、早めに動かしていったほうが成績がよかったという比較研究がそろってきています。

じっと固めて待つより、動かせる場所から動かしていく。当院がそうしているのは、切れたところを早くくっつけるためというより、かばう連鎖で新しい痛みを作らないためです。

捻挫は「そのうち良くなる」で終わらせない

足首の捻挫について、一つだけお伝えします。

研究では、足首の捻挫の大半は回復するとされています。ただし、20〜30%の方は、足首の不安定さを残すとも報告されています。

「よく足首をひねる」「またやってしまった」という方は、足首をよくひねる「捻挫ぐせ」もあわせてお読みください。

繰り返しているのは、足首だけの問題ではないかもしれません。

こんなときは、先に医療機関へ

次のような場合は、整骨院での施術より先に、医療機関の受診をお願いします。

  • 受傷したときに、ブチッという音がした
  • 体重をかけられない・立てない
  • 見た目が変形している
  • 急に強く腫れてきた
  • 膝が引っかかって伸びない、ロックする
  • しびれが出る、力が入らない

診断と画像は、医師の役割です。当院は役割を分けながら、体のケアの部分を担います。

当院の考え方

最後に、当院がこの問いにどうお答えしているかを、もう一度書いておきます。

よく言われていること当院の考え方
切れたら一生、元には戻らないきずあとの組織でつながります。ただ前と同じ組織ではないので、そのあとの使い方とトレーニングで良い状態にしていきます
切れているから痛い切れていても症状のない方のほうが多い、という研究があります。痛みを出している場所は別かもしれません
痛いから、動かさないほうがいい動かせる場所から動かします。かばう連鎖が、新しい痛みを作るからです
トレーニング=筋トレ当院のトレーニングは正しい動きを入れ直すものです
手術しないと良くならないそれは医師が判断することです。当院が決めることではありません

🟢 かんたんまとめ

  • 「元に戻るか」は、①つながるか ②前と同じ組織に戻るかを分けて考えます。
  • 切れた靭帯はきずあとの組織でつながります。ただし前と同じ組織ではありません。
  • だからそのあとの使い方(アドバイス)とトレーニングで、良い状態にしていきます
  • 切れている場所と、痛みを出している場所は一致しないことが多い——腱板が切れている方の約3分の2は症状がなく、半月板が切れている方の61%は痛みがありませんでした。
  • 痛い方と痛くない方を分けているのは、切れ方のひどさではありませんでした。「広がってきているか」「かばい方が変わっているか」「体全体の状態」です。
  • きずあとを作らず本当に元どおりになるのは骨だけ。腱板は自然にはつながりません。それでも戻らない組織ほど、周りをどう使うかで結果が変わっています
  • 当院が探すのは、切れたところではなく、かばって動かなくなったところです。
  • 音がした・体重をかけられない・変形・急な強い腫れ・膝のロック・しびれや脱力——このときは先に医療機関へ。

枚方市で、捻挫や肉離れのあとの不調、「切れていると言われた」あとの体でお困りの方は、当院にご相談ください。


※この記事は健康情報の提供を目的としたもので、診断や治療に代わるものではありません。手術をするかどうかの判断は、医師の診察によります。当院の考え方として書いた部分は院長の臨床経験にもとづくもので、感じ方には個人差があります。

※この記事のもとになった研究の一覧(出典つき)は、治療家向けのノート切れた筋肉や靭帯は、元に戻らないのかにまとめています。

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大黒整骨院 大黒 充晴

院についての原因を見極め、その場しのぎでなく根本から整えます。改善後は約半数の方がメンテナンスへ移行されています(※変化には個人差があります)」
院長/柔道整復師(国家資格) 大黒 充晴臨床23年

火・水・木・金・土 9:30〜12:30 / 13:30〜16:30月曜・日曜・祝日休診)

〒573-0027 大阪府枚方市大垣内町2-16-12 サクセスビル6階

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