治療家・専門家向け

なぜ今、施術に「トレーニング」を組み合わせるのか——動きの再教育という新しい柱

セルフケアは要らない、やらない努力こそが大事——そう考えてきた私が、いま「だいこく式トレーニング」という新しい柱を組み合わせ始めている理由。施術で痛みが緩和しても、体が『痛める使い方』を標準として覚えたままの方には、それだけでは足りない。動きの再教育が必要な患者さんについて、治療家に向けて率直に書く。

大黒 充晴(院長/柔道整復師・臨床23年)
※本ノートは治療家・医療従事者向けの専門的な覚え書きです。一般の方の自己判断・施術の代替を意図したものではありません。引用文献はエビデンス確認用であり、当院の施術効果を保証するものではありません。

🟢 この記事のやさしい結論(30秒でわかる)

  • 施術(治療)だけでは足りない患者さんが、一定数いる——そう感じるようになった。全員ではない。ただ、痛みが出る動きや姿勢を「自分にとっての標準の動かし方」として体にインプットしてしまっている方の場合、そこを変えない限り、施術の効果は繰り返し打ち消されてしまう。
  • 痛みを引き起こす動かし方を、体が忘れている、あるいは教わったことがない——そういう方が、臨床の中で確実にいる。
  • そこで、関節ファシア整体に「だいこく式トレーニング」を組み合わせることを、今日から始めている。本来の体の動かし方を体に再教育し、痛みの出ない動きを取り戻すためのものだ。
  • 見た目は地味で、細かい意識を要する繊細な動きが中心になる見込み。体を丸めるなど、一般的なトレーニングの常識とは違う動きも含まれる。
  • まだ体系化の途中。私の頭の中にあるものを、これから順番に言葉にしていく。本ノートはその最初の一歩。

はじめに——施術だけでは足りない方が、確実にいる

関節ファシア整体で、その場の痛みは緩和できる。動きを妨げている引っかかりを整えれば、可動域は変わるし、痛みの出方も変わる。それはこれまでの号でも書いてきたとおりだ。

ただ、最近強く感じているのは、施術(治療)だけでは足りない患者さんが、一定数いるということだ。全員ではない。施術だけで良くなっていく方も、もちろんおられる。ただ、そうではない方が確実にいる——そこを見過ごしたくない。

体が「痛めない使い方」を忘れている、という場合

施術で一時的に痛みが緩和しても、日常生活に戻ると、また同じように体を痛める動きを繰り返してしまう方がいる。

こうした方の場合、痛みを引き起こす間違った動きや姿勢が、その人にとっての「標準の動かし方」として体にインプットされてしまっている。体自身が、痛めない使い方を忘れている、あるいは、そもそも教わったことがない状態にある。

これまで私は、セルフケアという領域に対して、あまり積極的ではなかった。世の中に出回る一般的なストレッチや筋トレ、姿勢矯正の多くは、誤った常識に基づいていると考えていたからだ(「やらない努力」の号に書いたとおり)。

ただ、施術を繰り返す中で、そうした方には「治すためのセルフケア」、つまり本当の体の使い方を蘇らせるようなことを、しっかりと届ける必要があると感じるようになった。痛めてしまう動きをし続ける限り、その方にとっては、いつまでたっても本当の意味で良くなっていかないからだ。

「だいこく式トレーニング」という新しい柱

そこで、必要な方に組み合わせ始めているのが、「だいこく式トレーニング」だ。

ただの筋力トレーニングではない。本来の、体の機能を正確に、正常に使うためのオリジナルのトレーニングで、痛みが出ない正しい動きを、体に再教育し、再インプットさせることを目的にしている。

見た目は地味で、細かい意識を使う繊細な動きが中心になる見込みだ。体を丸めるなど、一般的なトレーニングの常識とは違う独特な動きも含まれてくる。基礎となる考え方や動きの多くは、これまで大黒整骨院のYouTubeチャンネルで公開してきたものとも重なる。

言葉にすると、少し大げさな、革命的なもののように聞こえるかもしれない。でも実際は、地味で、格好よくは見えない類のものだと思っている。

今日から、始めている

これは構想の段階ではなく、今日から実際にトレーニングの指導を始めている

私の頭の中にあるものを、これから少しずつ言葉にして、体系立てていく。関節ファシア整体という「その場を整える力」と、だいこく式トレーニングという「痛めない使い方を体に戻す力」——必要な方にはこのふたつを組み合わせる。それが、私が23年の臨床でたどり着いた、今のところの答えだ。

補足

本ノートは私の臨床上の考え方・進め方であり、すべての方に当てはまると主張するものではない。改善の感じ方には個人差がある。だいこく式トレーニングの具体的な内容は、体系化が進み次第、あらためて書いていく。


本ノートは治療家・専門家向けの覚え書きであり、特定疾患の診断・治療や、当院施術の効果を保証するものではありません。

大黒 充晴

大黒 充晴院長/柔道整復師(国家資格)

枚方市・大黒整骨院 院長。臨床23年・延べ5万人以上の施術。電気や温熱の機械を使わず、関節の数mmのズレとファシア(筋膜を含む結合組織)への手技を軸に施術する。

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