【枚方】揉み返しはなぜ起きる?——実は、分かっていません

揉んでもらった翌日に痛い「揉み返し」。効いた証拠だとも、毒素が出たとも言われますが、枚方市の大黒整骨院が研究を調べたところ、なぜ起きるのかは分かっていませんでした。分かっていること・否定されていること・受診の目安を、出典つきで臨床23年の柔道整復師が整理します。

大黒整骨院(院長:大黒 充晴/柔道整復師・臨床23年)

🟢 この記事のやさしい結論(30秒でわかる)

  • 揉み返しがどれくらいの人に起きるかは、研究で測られています(軽い不快感で約10%)。
  • なぜ起きるかは、分かっていません。「筋肉が壊れたから」も、確定した話ではありません。
  • 乳酸・毒素が出た」は、研究とかみ合いません。「好転反応」は医学用語ではありません
  • **痛くなるほど効く、ではありません。**強さと効果が比例するというエビデンスはありません。
  • 長引く・強くなる・しびれるときは、様子を見ずに医療機関へ。

肩を揉んでもらった翌朝、かえって重い。ズーンと痛い。

「揉み返しですね、効いている証拠です」「毒素が出ているんですよ」——そう言われて、なんとなく納得したことはありませんか。

枚方市の大黒整骨院がこの記事でお伝えしたいのは、揉み返しがなぜ起きるのかは、実のところ分かっていないということです。

分からないことを分からないまま書くのは、正直、勇気がいります。それでも、もっともらしい説明で納得してしまうより、そのほうがあなたの体の役に立つと考えました。

揉み返しは、どれくらいの人に起きるのですか?

「起きる頻度」は、研究で測られています。

  • マッサージの利用者100人を調べた研究では、10%の人が施術後に軽い不快感を報告しました。その多くは12時間以内に始まり、36時間以内に収まっています。重大な副作用は起きていません(Cambron JA ほか、2007年・米国の横断研究)
  • 腰痛へのマッサージの臨床試験をまとめた国際的なレビュー(コクラン・レビュー、2015年)では、最も多く報告されたのは「痛みが強くなること」で、研究によって参加者の1.5〜25%。重篤なものはありませんでした
  • 世界の報告を集めた系統的レビューでは、30〜61%が頭痛・こわばり・局所の不快感といった軽い出来事を報告し、いずれも24時間以内に消えたとされています(Yin P ほか、2014年)

数字の幅が大きいのは、「軽い不快感」と「痛みが強くなること」で数え方が違い、手技の強さも研究ごとに違うからです。同じものを測っているわけではありません。

はっきりしているのは、珍しいことではないが、多くは1〜2日で収まる範囲だということです。

では、なぜ起きるのですか?

ここが本題です。揉み返しそのものを調べた研究は、見つかりませんでした。

よく見かける「筋肉に微小な傷がつき、炎症が起きて痛む」という説明は、**揉み返しの研究から出てきたものではありません。**運動の翌日に来る筋肉痛(遅発性筋痛)の理論を、そのまま借りてきたものです。

しかも、その借り元のほうが揺らいでいます。

  • 遅発性筋痛は100年以上「筋肉の微小な傷と炎症」で説明されてきましたが、傷や炎症が見当たらないのに痛みへの過敏さが起きる実験結果が報告されています
  • 近年の研究では、筋肉そのものより痛みを感じる神経の側が敏感になっているという道すじが注目されています(水村和枝ほか、2016年ほか)

つまり、「揉み返し=筋肉が壊れた証拠」も、確かめられた話ではないのです。

「分からない」と書くのは、この記事のいちばん誠実な部分です。もっともらしい機序を語ることは誰にでもできますが、確かめられていないものを断定するのは、当院のやり方ではありません。

※ここから先、なぜ起きるかについての当院の見方は、院長の臨床経験に基づく考え方(私見)です。科学的に証明された定説ではありません。

「乳酸」「毒素」「好転反応」については、言えることがあります

分からないことは多いのですが、はっきり否定されているものもあります。

乳酸と毒素——乳酸は、運動をやめるとすみやかに元の値へ戻ります。翌日に来る痛みの説明にはなりません。さらに、マッサージは運動後の筋肉の血流をかえって妨げ、乳酸の除去を遅らせたという実験が報告されています(Wiltshire EV ほか、2010年)。「揉んで流す」は、少なくとも乳酸については逆向きの結果です。

そもそも「毒素」が何を指すのかは、どこにも定義されていません。

好転反応——これは**医学用語ではありません。**体が良くなる途中の反応だ、という言い方で説明されることがありますが、そう呼べる裏づけはありません。

当院はこの言葉を使いません。理由は単純で、「好転反応です」と言われた瞬間に、受診すべきサインが見えなくなるからです。

痛くなるほど効く、ではありません

強さと効果が比例するというエビデンスは、ありません。

むしろ、世界の報告を集めた先ほどの系統的レビューは、強い手技のほうが好ましくない出来事と結びつきやすいと述べています(Yin P ほか、2014年)。つまり圧の強さは、効果ではなくリスクの側と関係している、という整理です。

「強く揉んでもらったほうが効いた気がする」——その実感を否定したいのではありません。ただ、痛みの強さを効果の目安にすると、体は損をします。

当院が、そもそも揉まない理由

筋肉の第一の仕事は、支えることだからです。

当院は「痛い場所に、原因はない」という考え方で体を見ています。硬くなっている筋肉は、悪者ではありません。動かなくなっている場所をカバーして、支えようと頑張っている状態です。

そこを強く揉んでゆるめるのは、頑張っている支えを削ることになります。その場は軽くなっても数日で戻るのは、引き受けている原因の側が、何も変わっていないからです。

だから当院は、揉み返しが起きるほどの圧をかける施術をしません。

※この見方は、院長の臨床経験に基づく当院の考え方で、科学的に証明された定説ではありません。

揉んでも戻ってしまう理由は整形外科でもマッサージでも変わらない理由の記事に、道具で強い刺激を入れる場合の話はマッサージガンの記事に書きました。

常識 vs うちの考え

世間でよく言われるうちの考え
揉み返しは効いている証拠強さと効果が比例する根拠はない。強い手技はリスク側と結びつくと報告されている
乳酸・毒素が出たから痛い乳酸は翌日の痛みの説明にならない。揉むと除去がむしろ遅れたという実験もある
好転反応だから様子を見ればいい医学用語ではない。その一言で、受診すべきサインが見えなくなる
揉み返しは筋肉が壊れた証拠それも確定していない。近年は「神経の側が敏感になる」道すじが注目されている

※表の右列は、出典のある研究に触れつつ、院長の臨床経験に基づく当院の考え方をまとめたものです。

こんなときは医療機関へ

施術のあとの痛みが48時間を超えて長引く日ごとに強くなるしびれが新しく出た・広がる手足に力が入りにくい強い頭痛やめまい・吐き気を伴う——こうしたときは、「好転反応」と考えて様子を見ないでください。医療機関の受診を優先してください。

診断は医師の役割です。 施術を受けた時期と、痛みが出た時期をあわせて伝えると、状況が伝わりやすくなります。

大黒整骨院の施術——揉まずに、動かない場所を探します

大黒整骨院(関節ファシア整体)では、痛む場所だけを見るのではなく、足首から骨盤・背骨・首まで全身の決まったチェックポイントを順に確認し、動きを止めている本当の原因=関節のわずかなズレと、ファシア(筋膜)の硬結(「引っかかり」)を触診で見つけます

そのうえで、だいこく式関節モビライゼーションで関節のわずかなズレを的確に整え、動きを妨げているファシアの硬結をリリースします。改善しにくい場合など、必要に応じて、実際に動いてもらいながら動作の中で引っかかりを特定し、追加で整えます。

関節を整えるときはほとんど痛みはありませんが、こわばったファシアの硬結をゆるめるときは痛みを伴うことがあります。これは正直にお伝えしています。強い力やボキボキする刺激は使いません(※変化の感じ方には個人差があります)。

分からないことを「分からない」と言える相手のほうが、体のことは任せやすいはずです。枚方市の当院へ、一度ご相談ください。

肩こりの考え方の全体は枚方の肩こりガイドにまとめています。

🟢 かんたんまとめ

  • 揉み返しは珍しくありません(軽い不快感で約10%)。多くは1〜2日で収まる範囲です。
  • なぜ起きるかは分かっていません。「筋肉が壊れた」も確定していません。
  • 乳酸・毒素の説明は研究とかみ合いません。「好転反応」は医学用語ではありません。
  • **痛くなるほど効く、ではありません。**強さはリスクの側と関係しています。
  • 48時間を超える・強くなる・しびれる・力が入らないときは、医療機関へ。

この記事で触れた研究

  • Cambron JA, et al. Side-effects of massage therapy: a cross-sectional study of 100 clients. J Altern Complement Med. 2007;13(8):793-6.
  • Furlan AD, et al. Massage for low-back pain. Cochrane Database Syst Rev. 2015;(9):CD001929.
  • Yin P, et al. Adverse events of massage therapy in pain-related conditions: a systematic review. Evid Based Complement Alternat Med. 2014;2014:480956.
  • Wiltshire EV, et al. Massage impairs postexercise muscle blood flow and "lactic acid" removal. Med Sci Sports Exerc. 2010;42(6):1062-71.
  • Mizumura K, Taguchi T. Delayed onset muscle soreness: involvement of neurotrophic factors. J Physiol Sci. 2016;66(1):43-52.

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大黒整骨院 大黒 充晴

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院長/柔道整復師(国家資格) 大黒 充晴臨床23年

火・水・木・金・土 9:30〜12:30 / 13:30〜16:30月曜・日曜・祝日休診)

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