猫背の原因は「骨」か「習慣」か|背中の丸みの正体|枚方 大黒整骨院
猫背が気になる枚方市の方へ。背中の丸みには正常な範囲があり、年齢とともに丸くなります。若い方と高齢の方では猫背の中身が違うこと、背筋を伸ばせば肩こり・首の痛みを防げるとは研究上は言い切れないこと、気をつけるべき猫背を、柔道整復師が研究をもとに解説します。
🟢 この記事のまとめ(30秒でわかる)
- 背中の丸みは、誰にでもある正常な形です。若い成人の背中のカーブは20〜40度が正常な範囲とされ、年齢とともに丸くなっていきます。
- 若い方の猫背と、高齢の方の猫背は中身が違います。若い方は座り方や習慣による姿勢が多く、高齢の方では背中の筋肉・椎間板・骨の変化が関わってきます。
- 「背筋を伸ばせば肩こり・首の痛みを防げる」とは、研究上は言い切れません。丸まった姿勢の女性のほうが首の痛みが続きにくかった、という研究もあります。
- 当院では、猫背を「悪い姿勢」と決めつけず、きれいな姿勢で固めることもおすすめしていません。痛い場所と、本当の原因になっている場所は、同じとは限りません。
- 高齢の方で、急に背中が丸くなった・身長が縮んだ・背中が痛むときは、圧迫骨折の可能性があります。整形外科の受診をおすすめします。
「写真に写った自分の背中が、思ったより丸かった」
「家族に、猫背だと言われた」
枚方市の大黒整骨院でも、猫背についてのご相談をよくいただきます。
猫背が気になっている方は、とても多いようです。
全国の働いている20〜59歳の300人に聞いたWeb調査(株式会社アイスタット・2022年4月)があります。
| 質問 | 結果 |
|---|---|
| 自分は猫背あるいは反り腰だと思うか | 「非常にそう思う」22.3%+「どちらかといえばそう思う」34.7%=約57% |
| 最近、悩んでいる症状(複数回答) | 肩こり42.7%、首こり33.3% |
※猫背と反り腰をまとめて聞いた質問です。また、肩こり・首こりの割合は回答者全体の数字で、猫背の方に限ったものではありません。
猫背が気になる理由は、人によって違います。
- 自分の背中をどうにかしたい:見た目や写真が気になる
- 原因を知りたい:なぜ背中が丸くなるのか知りたい
- 家族が心配:子供の姿勢や、高齢の親の背中の丸みが気になる
- 肩こり・首こりがある:猫背のせいではないかと気になる
この記事では、「猫背とは何か」という事実から始めて、猫背の原因と、本当に気をつけるべき猫背を、研究をもとに整理します。
猫背とは何か——背中の丸みには「正常な範囲」がある
背中の背骨(胸椎)は、もともと後ろに丸くカーブしています。これを胸椎の後弯(こうわん)といいます。
背中の丸みは、誰にでもある正常な形です。
このカーブは、レントゲンで角度(Cobb角)を測って表します。年齢による背中の丸みについての研究をまとめた論文(Roghaniら・2017年)では、次のように整理されています。
| わかっていること | 内容 |
|---|---|
| 若い成人の正常な範囲 | 20〜40度 |
| 平均の角度 | 若い世代で26.8度、65歳以上で41.9度 |
| 「丸すぎる(後弯)」の目安 | 40度を超えると後弯とすることが多い。ただし、はっきりした基準は決まっていない |
| 60歳以上で後弯がある方 | 20〜40% |
つまり、背中の丸みは年齢とともに強くなっていくのが自然な流れです。
そして、どこからが「丸すぎる」のかは、研究者のあいだでもまだ決まっていません。
背中が丸くなるとき、体の中で何が起きているか
同じ「猫背」でも、若い方と高齢の方では、中身が違います。
若い方の猫背——座り方・習慣による姿勢
若い方の猫背の多くは、座り方や、毎日の習慣による姿勢だと考えられています。
多くの場合、骨や椎間板の形そのものが変わっているわけではない、という点が、高齢の方の猫背との大きな違いです。
高齢の方の猫背——筋肉・椎間板・骨の変化
高齢の方の背中の丸みには、体そのものの変化が関わってきます。
先ほどの論文(Roghaniら・2017年)では、次のことが挙げられています。
- 背骨を支える背中の筋肉(脊柱起立筋など):筋力や持久力は、姿勢を保つためにとても大切です。筋肉の中の脂肪が増えて筋肉の質が下がると、背中の丸みが強くなることと関連していました。
- 椎間板の変化:背中の丸みが強い方によく見られます。ただし、椎間板の変化が丸みの原因なのか、結果なのかはわかっていません。
- 背骨の骨折:背中の丸みが強い方の中にも、6〜7割は背骨の圧迫骨折が見られないとされています。「背中が丸い=骨粗しょう症」とは限りません。
高齢の方の猫背は、何が進めるのか
65歳以上の女性1196人の背中の丸みを、約15年追いかけた研究があります(Kadoら・2013年)。
- 15年で、背中の丸みは平均7.1度強くなった
- 丸みが進みやすかったのは、背骨の骨折がある・新しく骨折した方、骨密度が低い・骨密度が下がっている方、体重が少ない・体重が減っている方
著者らは、年齢による背中の丸みの進み方には、骨密度の低下と体重の減少が関わっているとまとめています。
また、背中の丸みが強いほど、体の動き(身体機能)が低下しているという報告もあります(Roghaniら・2017年)。
猫背と肩こり・首の痛みの関係
「猫背だから肩がこる」「背筋を伸ばせば首の痛みは防げる」——よく聞く言葉です。
でも、研究の結果は、それほど単純ではありません。
| 研究 | 対象 | わかったこと |
|---|---|---|
| Richardsら(2021年) | 17歳から22歳まで追いかけた686人 | 男性は、17歳の時の座った姿勢と、22歳の時の首の痛みに関連はなかった。女性は、背筋を伸ばして座る人より、丸まった姿勢(背中が丸く、頭が前に出た姿勢)で座る人のほうが、首の痛みが続く割合が低かった |
| Barrettら(2016年) | 10の研究のまとめ | 肩の痛みがある人とない人で、背中の丸みに大きな差はなかった。背中の丸みは、肩の痛みの重要な要因ではない可能性がある |
| Mahmoudら(2019年) | 15の研究のまとめ | 成人では、首の痛みがある人ほど頭が前に出ている傾向があった。一方、10代では、ほとんどの指標で関連が見られなかった |
Richardsらは、「首の痛みを防ぐために背筋を伸ばして座る」という一般的なメッセージは見直しが必要だ、と述べています。
一方で、成人では、首の痛みと頭の位置に関連が見られた研究もあります。ただし、これは一時点を比べた研究で、頭が前に出ているから首が痛くなったのか、首が痛いから頭が前に出たのかまではわかりません。
つまり、猫背と肩・首のつらさは無関係とは言えないけれど、猫背だけで決まるわけでもない、というのが今わかっていることです。
肩こりがなかなか変わらない方は、「枚方で慢性肩こりを根本から見直す」もご覧ください。
こんな猫背は、そのままにしないでください
次のような場合は、様子を見ずに、まず当院にご連絡ください。
- 背中や背骨を押すと痛む
- 手や脚のしびれ、力の入りにくさがある
- 背中のつらさが、だんだん強くなっていく
まずは当院で、動きと痛みの出方を確認します。そして、必要なときは受診をおすすめします。
※高齢の方で、急に背中が丸くなった・身長が縮んだ・背中が痛むときは、背骨の骨(椎体)の圧迫骨折が隠れていることがあります。整形外科の受診をおすすめします。骨折かどうかは、レントゲンなどで医師が確かめます。
※医師から指示を受けている方は、その指示に従ってください。
大黒整骨院の考え方
当院が猫背や姿勢をどう考えているかは、これまでの記事でもお伝えしてきました。
- 背中の丸み(胸椎の後弯)は、本来あっていいものです。問題は位置ではなく、動きだと考えています。
- 胸を張る・あごを引くなど、きれいな姿勢を気合いで作って固めることは、おすすめしていません。正常な形を無理に変えようと力を入れると、呼吸が浅くなり、かえって体が緊張してしまうこともあるためです(※院長の臨床経験に基づく考え方で、科学的に証明された定説ではありません)。
- 頑張ってやることより、力を抜くことを大切にしています。
- 痛い場所と、本当の原因になっている場所は、同じとは限らない——これが当院の考えです(詳しくは「痛みの引き金と本当の原因の違い」)。
| よくある考え方 | 当院の考え |
|---|---|
| 背中が丸いのは悪い姿勢 | 背中の丸みは正常な形。年齢とともに丸くなるのも自然な流れ |
| 背筋を伸ばせば、肩こり・首の痛みを防げる | 研究上は単純ではない。猫背だけで肩・首のつらさが決まるわけではない |
| 猫背は、気合いで背筋を伸ばして直す | きれいな姿勢で固めない。力を抜いて、楽でいられる状態を目指す |
| 背中が丸いなら、背中を見ればいい | 痛い場所と、本当の原因になっている場所は、同じとは限らない |
詳しくは「良い姿勢・ストレッチ・筋トレを、当院があまりすすめない理由」と「巻き肩と猫背の違い」に書いています。
大黒整骨院の施術——関節から整える「関節ファシア整体」
猫背が気になる方、肩や首、腰のつらさが続いている方は、まずは当院で、動きと痛みの出方を確認します。そして、必要なときは受診をおすすめします。
枚方で猫背の整体を探している方の中には、「背中をまっすぐに矯正してほしい」と考えている方もいらっしゃるかもしれません。大黒整骨院では、背中の丸みそのものを無理にまっすぐにすることは目指していません。
大黒整骨院の関節ファシア整体は、背中だけを見るのではなく、足首から骨盤・背骨・首まで、全身の決まったチェックポイントを順に確認する手技中心の施術です(電気や温熱の機械は使いません)。
- だいこく式関節モビライゼーションで、関節の1〜2mmのわずかなズレを的確に整え、体が本来持つ回復力が働きやすい土台をつくります。
- その上で、触診で見つけたファシア(筋膜)の硬結=「引っかかり」をリリースします。こちらは痛みを伴うことが多い手技です。
- 必要に応じて、寝ていただいた状態で、私が関節を一つずつ動かしながら、動きを妨げている「引っかかり」を手で確かめていきます。
揉んだり、ボキボキ鳴らしたりはしません。院長が最初から最後まで担当します(※変化や感じ方には個人差があります)。
関節ファシア整体の考え方は「関節ファシア整体とは」に、肩こりについては「肩こりのページ」に、腰のつらさについては「枚方で腰痛を相談できる整骨院ガイド」と「腰痛のページ」にまとめています。
よくある質問
背中が丸いのは、異常なのですか?
背中の背骨(胸椎)は、もともと後ろに丸くカーブしています。若い成人では、このカーブの角度(Cobb角)は20〜40度が正常な範囲とされ、平均は約27度という報告があります。どこからが異常な丸みかについては、研究者のあいだでもはっきりした基準は決まっていません。背中が丸いこと自体を、すぐに異常と考える必要はありません。
猫背は肩こりや首の痛みと関係ありますか?
研究の結果は単純ではありません。17歳から22歳まで686人を追いかけた研究では、女性は、背筋を伸ばして座る人より、丸まった姿勢で座る人のほうが、首の痛みが続く割合が低いという結果でした(男性では関連なし)。背中の丸みは肩の痛みの重要な要因ではない可能性がある、とするまとめもあります。一方、成人では、首の痛みがある人ほど頭が前に出ている傾向も報告されています。猫背だけで肩や首のつらさが決まるわけではない、というのが今わかっていることです。
高齢の親の背中が、急に丸くなってきました。どうしたらいいですか?
高齢の方で、急に背中が丸くなった、身長が縮んだ、背中が痛むときは、背骨の骨(椎体)の圧迫骨折が隠れていることがあります。整形外科の受診をおすすめします。骨折かどうかは、レントゲンなどで医師が確かめます。
まとめ:猫背は「悪い姿勢」と決めつける前に
- 背中の丸みは、誰にでもある正常な形。若い成人では20〜40度が正常な範囲とされ、年齢とともに丸くなっていきます。
- 若い方の猫背は座り方・習慣による姿勢が多く、高齢の方の猫背には筋肉・椎間板・骨の変化が関わります。
- 「背筋を伸ばせば肩こり・首の痛みを防げる」とは、研究上は言い切れません。
- 高齢の方で、急に背中が丸くなった・身長が縮んだ・背中が痛むときは、整形外科の受診をおすすめします。
枚方市で、猫背や肩・首のつらさが気になっている方は、大黒整骨院に一度ご相談ください。
関連記事・症状ページ
参考文献
- 株式会社アイスタット「猫背・反り腰に関する調査」(2022年4月・Webアンケート・全国の有職者20〜59歳300人)/ケアネット
- Roghani T, Zavieh MK, Manshadi FD, King N, Katzman W. Age-related hyperkyphosis: update of its potential causes and clinical impacts-narrative review. Aging Clin Exp Res. 2017;29(4):567-577./PubMed
- Kado DM, Huang MH, Karlamangla AS, et al. Factors associated with kyphosis progression in older women: 15 years' experience in the study of osteoporotic fractures. J Bone Miner Res. 2013;28(1):179-187./PubMed
- Richards KV, Beales DJ, Smith AL, O'Sullivan PB, Straker LM. Is Neck Posture Subgroup in Late Adolescence a Risk Factor for Persistent Neck Pain in Young Adults? A Prospective Study. Phys Ther. 2021;101(3):pzab007./PubMed
- Barrett E, O'Keeffe M, O'Sullivan K, Lewis J, McCreesh K. Is thoracic spine posture associated with shoulder pain, range of motion and function? A systematic review. Man Ther. 2016;26:38-46./PubMed
- Mahmoud NF, Hassan KA, Abdelmajeed SF, Moustafa IM, Silva AG. The Relationship Between Forward Head Posture and Neck Pain: a Systematic Review and Meta-Analysis. Curr Rev Musculoskelet Med. 2019;12(4):562-577./PubMed
※この記事は健康情報の提供を目的としたもので、診断や治療に代わるものではありません。当院の考え方として書いた部分は院長の臨床経験にもとづくもので、感じ方には個人差があります。
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院長/柔道整復師(国家資格) 大黒 充晴(臨床23年)
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